アル・フワーリズミ(780年頃~850年頃)
アル・フワーリズミはアラビアの数学者、天文学者です。
アル・フワーリズミの名は「アルゴリズム」の語源となり、またその著書は「代数学(アルジェブラ)」の語源となりました。
■「アル・ジェブル・アル・ムカバラ」
アル・フワーリズミは「アル・ジェブル・アル・ムカバラ」という本を出版しましたが、これは「移項と同類項の整理」という意味です。
この本を書く際にギリシャ人の知識だけでなく、インド人の知識も取り入れました。インド人は「ゼロ」の概念を発見していて、どんなに大きな数でも0から9までの数字だけで書き表せるようになりました。これは記数法における大きな革命でした。このように、アル・フワーリズミは自著を通してインド人の記数法をヨーロッパに広めたのです。
★アル・フワーリズミに関する雑学
・代数学(アルジェブラ)の語源
「代数学(アルジェブル)」は、アル・フワーリズミの著書「al-jabr waal-muqabalah(アル・ジェブル・アル・ムカバラ)」に由来しています。「アル・ジェブル・アル・ムカバラ」はラテン語に翻訳されヨーロッパで広く読まれましたが、この時に「al-jabr(アル・ジェブル)」だけが残り、「代数学(アルジェブラ)」の語源となったのです。
また課題を解決するための計算手順や処理手順のことを「アルゴリズム」といいますが、これはアル・フワーリズミの名に由来しています。「アル・ジェブル・アル・ムカバラ」が翻訳された際にアル・フワーリズミの名も「アルゴリズム」と変えられ、アルゴリズムの語源となりました。
・algebrista(接骨医)
「algebrista」はスペイン語で代数学者の他に接骨医という意味もあります。
「al-jabr」は「復元」という意味を持ちますが、接骨医がバラバラになったものを復元するイメージに通じています。