2012年2月18日土曜日

ヘロン

ヘロン(紀元前2世紀後半~紀元前1世紀頃)

ヘロンはアレクサンドリアの工学者・数学者です。蒸気の圧力や気圧、水圧を利用した色々な装置を考案したことで知られています。サイフォンの原理を利用した「ヘロンの噴水」と呼ばれる噴水も有名です。
数学では「計量幾何学」という本を著し、様々な図形の面積の求め方を記しました。


■ヘロンの公式

「ヘロンの公式」は、三角形の三辺の長さを用いてその三角形の面積を求める公式です。
以下のようにして、三辺の長さが分かっている三角形の面積を求めることができます。

三角形の三辺の長さをそれぞれa、b、cとし、s=(a+b+c)/2とする。このとき三角形の面積Sは
S = √{s(s-a)(s-b)(s-c)}

この公式では三角形の高さは必要とされないため、土地の面積を求める際等に古くから使われてきました。この公式はヘロンの著書「計量幾何学」で証明されたためヘロンの名がつけられましたが、公式自体はヘロン以前に知られていたとされています。


★ヘロンに関する雑学

硬化投入式の自動販売機は、ヘロンが初めて考案したといわれています。てこの原理を応用し、投入された硬貨の重みで弁が開き、一定量の聖水が流れるという仕組みになっていました。ヘロンの著作「気体装置」の中でこの聖水自動販売機について、図を用いて紹介しています。ただしこの装置の発明者については、ヘロン以外の人物のものであるとする説もあります。
ヘロンの発明には、蒸気を用いた自動ドア等もあります。