アリヤバータ(476年~550年頃)
アリヤバータはインドの数学者、天文学者です。彼はディオファントス方程式や円周率の近似値の研究で知られています。
■ディオファントス方程式の研究
一般に整数係数の多変数高次不定方程式を「ディオファントス方程式」といいますが、アリヤバータは著作「アーリヤバティーヤ」において、線型ディオファントス方程式 ay + bx = c の整数解の求め方を記しました。これはディオファントス方程式の解を連分数によって表すもので、「クッタカ法」と呼ばれています。彼はこの技法を応用して、連立線型ディオファントス方程式の整数解も求めました。更に不定線型方程式の一般的解法も発見しています。
ディオファントス方程式についての研究は、アリヤバータの純粋数学における最大の貢献とされています。
■円周率の近似値
著書の「アリヤバーティア」で、円周率の近似値を3.1416としました。どのようにしてこの値を求めたのかはこの本では明らかにされていません。
一般には円に内接する正n角形と正2n角形について、両者の周の長さの間に成り立つ関係式を利用したといわれています。ここから正384角形の周の長さを√9.8684(≒3.14156)とし、この平方根の近似値として3927/1250(=3.1416)を導いたとされています。
■アリヤバータの正弦表
アリヤバータは最も古い正弦表の一つであるアリヤバータの正弦表を作成しました。
★アリヤバータに関する雑学
インド初の人工衛星は、アリヤバータにちなんで命名されました。このアリヤバータの絵は、インドの紙幣の裏面に使用されていたことがあります。