エウドクソス(紀元前408年頃~紀元前355年頃)
エウドクソスは小アジアのクニドスの生まれで、ピタゴラス学派のアルキュタスの元で学びました。長年の間エジプトで暮らし、天文学について研究しました。
地球が中心にあり、他の天体は地球の周りを回っているする「同心天球説」を唱えたことで有名です。この考え方は、後にアリストテレスに影響を与えることになります。
■錐体、球体の体積についての証明
「錐の体積は、同じ底面を持つ柱の体積の3分の1である」ということを最初に述べた人物はデモクリトス(紀元前460頃~紀元前370頃)ですが、エウドクソスはこのことについての証明を行いました。また、「球の体積はその直径の3乗に比例する」ということも証明しました。
数学での功績については比例論もあります。
エウドクソスは多くの定理を発見しましたが、後にユークリッドが「原論」の中でまとめて紹介しました。
■取り尽し法
図形に内接するような多角形を描き、それらの面積を元の図形に近づけていく方法です。
エウドクソスはこの取り尽し法を用いて、球や錐の体積の求め方を証明しました。
★エウドクソスに関する雑学
・黄金比
1:(1+√5)/2 ≒ 1:1.618 は、人間が本能的に美しいと感じる比率だとされています。この比率は「黄金比」と呼ばれていますが、この黄金比を発見したのがエウドクソスであるといわれています。
「黄金比」という名前を付けたのはイタリアのレオナルド・ダ・ヴィンチであるという説もありますが、1835年刊行のドイツの数学者マルティン・オームの著書「初等純粋数学」に、「黄金比」という言葉が既に登場しています。
この黄金比はパルテノン神殿、ミロのヴィーナス、パリの凱旋門などの人工物の他、ひまわりの種、松ぼっくりのかさなど自然界にも多く見られます。