ヒッパルコス(紀元前190年頃~紀元前125年頃)
ヒッパルコスは古代ギリシャの天文学者です。彼は月や太陽までの距離を求め、恒星を記した世界最古の星表を作成しました。また恒星を6等級に分けましたが、この等級は現代でもほぼ同様のものが用いられています。
また彼は、現在の88星座のうちの46星座を設定したことで知られています。
■三角法
ヒッパルコスは天体を精密に観測するために、三角法を利用しました。
まず月が南中する時の地点と、月が地平線上に見える時の地点の2ヶ所で同時に月を観測します。そこから三角形を用いて月までの距離を計算したのです。
ヒッパルコスは角度に対する円弧の角度と弦の長さについての数表を初めて作成した人物だとされています。このため、彼は「三角法の父」と呼ばれています。
後にアレクサンドリアのプトレマイオスが「アルマゲスト」という数学と天文学の専門書を著しますが、この本の中ではヒッパルコスの文献から多くの引用がされています。
ヒッパルコスの文献そのものは残されていないため、彼の研究内容はこのアルマゲストにより後世にまで伝えられたことになります。
★ヒッパルコスに関する雑学
欧州宇宙機関が1988年に打ち上げた天体観測衛星Hipparcos(HIgh Precision PARallax COllecting Satellite)は、ヒッパルコス(Hipparchus)の名前にちなんで命名されました。
また彼にちなんで名づけられたものには、月のクレーター、火星のクレーター、小惑星もあります。