2015年9月27日日曜日

オーガスタ・エイダ・キング

オーガスタ・エイダ・キング(1815年~1852年)

オーガスタ・エイダ・キングは、イギリス貴族の女性で数学の愛好者です。チャールズ・バベッジの解析機関に関する著作でで知られています。


■バベッジの解析機関

エイダの母親には数学の素養があったため、その影響からエイダも数学に興味を持ちます。
1833年にエイダは友人からイギリスの数学者チャールズ・バベッジを紹介され、数学を本格的に学び始めました。バベッジはコンピュータの元となる階差機関や解析機関の研究で知られています。

バベッジは1842年にイタリアを訪問しましたが、その折にイタリア人の数学者であるルイジ・メナブレアに会いました。メナブレアは解析機関に関する記録をフランス語で記し出版し、1843年にはエイダがこれを翻訳しています。

エイダはこの翻訳の際に、本文の量を上回る訳注を記述し、その中にはプログラムのコードも記されていました。このためエイダは「世界初のプログラマー」、「プログラマーの母」等と呼ばれています。
現在ではこの本のプログラムはバベッジが書いたもので、エイダはミスを指摘したものとされています。ただしバベッジが解析期間を計算機としか見ていなかったのに対し、エイダはそれ以上の可能性があることに言及していました。


★オーガスタ・エイダ・キングに関する雑学

プログラミング言語Adaは、エイダにちなんで名づけられました。


★備考

Augusta Ada King
生没年:1815年12月10日~1852年11月27日
父:ジョージ・ゴードン・バイロン(詩人)
母:アナベラ・ミルバンク
夫:ウィリアム・キング男爵(ラブレース伯爵)
娘:アン・ブラント
孫:ジュディス・ブラント

2015年9月10日木曜日

ピエール・ローラン・ヴァンツェル

ピエール・ローラン・ヴァンツェル(1814年~1848年)

ピエール・ローラン・ヴァンツェルは、フランスの数学者です。ギリシア時代からの作図問題を証明したことで知られています。


■三大作図問題

古来からの図形に関する問題で「定規とコンパスのみを用いた有限回の操作で、ある指定された図形を描けるかどうか」というものがあります。
ここで用いる定規は2点を通る直線を引くことのみに用い、長さを図ることはできません。またコンパスは、与えられた中心と半径の円を描くことと、既に作図されている二点間の長さを測ることができます。

多くの図形は定規とコンパスのみで作図可能であることが示されましたが、作図が可能か不可能か分かっていない図形もありました。

・与えられた円と等しい面積をもつ正方形を作ること(円積問題)
・与えられた立方体の体積の2倍に等しい体積をもつ立方体を作ること(立方体倍積問題、「デロス島の災難」の問題)
・与えられた角を三等分すること(角の三等分問題)

これら3つはギリシア時代から解決されていない問題であることから、「ギリシアの三大作図問題」と呼ばれています。
ヴァンツェルは1837年に、立方体倍積問題と角の三等分問題は三次方程式を解かなくてはならないので、定規とコンパスのみでは作図できないことを示しました。
円積問題についてはドイツの数学者であるフェルディナント・フォン・リンデマンが1882年に作図不可能であることを示しています。


★備考

Pierre Laurent Wantzel
生没年:1814年6月5日~1848年5月21日
生まれ:フランス、パリ