ピエール・ローラン・ヴァンツェル(1814年~1848年)
ピエール・ローラン・ヴァンツェルは、フランスの数学者です。ギリシア時代からの作図問題を証明したことで知られています。
■三大作図問題
古来からの図形に関する問題で「定規とコンパスのみを用いた有限回の操作で、ある指定された図形を描けるかどうか」というものがあります。
ここで用いる定規は2点を通る直線を引くことのみに用い、長さを図ることはできません。またコンパスは、与えられた中心と半径の円を描くことと、既に作図されている二点間の長さを測ることができます。
多くの図形は定規とコンパスのみで作図可能であることが示されましたが、作図が可能か不可能か分かっていない図形もありました。
・与えられた円と等しい面積をもつ正方形を作ること(円積問題)
・与えられた立方体の体積の2倍に等しい体積をもつ立方体を作ること(立方体倍積問題、「デロス島の災難」の問題)
・与えられた角を三等分すること(角の三等分問題)
これら3つはギリシア時代から解決されていない問題であることから、「ギリシアの三大作図問題」と呼ばれています。
ヴァンツェルは1837年に、立方体倍積問題と角の三等分問題は三次方程式を解かなくてはならないので、定規とコンパスのみでは作図できないことを示しました。
円積問題についてはドイツの数学者であるフェルディナント・フォン・リンデマンが1882年に作図不可能であることを示しています。
★備考
Pierre Laurent Wantzel
生没年:1814年6月5日~1848年5月21日
生まれ:フランス、パリ