2012年3月7日水曜日

ヨハネス・ウィッドマン

ヨハネス・ウィッドマン

ヨハネス・ウィッドマンは、数学において「+」、「-」記号を初めて使用した人物として知られています。

「+」という記号については、14世紀頃にラテン語の「および」を意味する「et」を速く書いているうちにこれが崩れ、「+」になったといわれています。「-」は「m」という文字が段々と省略されてできたものだとされています。
また当時の船乗り達は、水樽の重さの過不足を表すために「+」と「-」を目印として用いていました。水樽を管理する際に、使用した分を樽に「-」の線で記し、水が加えられた時には「-」の上から縦線を入れて「+」としていたのです。

この「+」、「-」の記号を数学的な記号として初めて用いたのが、ドイツのヨハネス・ウィッドマンです。彼は1489年に発表した「商業用算術書」という書物の中で、「+」、「-」を過不足を表す記号として使いました。ただしこの本の中では「プラス」という言葉は使われておらず、「-とは不足、+とは多すぎることである」と説明しています。ウィッドマンは加法や減法の記号としてではなく、正負を表す記号として考えていたようです。
ちなみに「plus(プラス)は「より多い」、「minus(マイナス)」は「より少ない」をラテン語で意味します。
ウィッドマンは記号「+」を「mer」、「-」を「minus」と呼びました。

加減の計算記号として+、-を用いたのは、1514年、オランダのファンデル・フッケとされています。
またイギリスのロバート・レコードは1557年に「The Whetstone of Witte」を表し、プラス記号とマイナス記号をイギリスへ持ち込みました。