2012年3月2日金曜日

レオナルド・フィボナッチ

レオナルド・フィボナッチ(1179年頃~1250年頃)

フィボナッチはイタリアのピサの数学者です。正確には「レオナルド・フィリオ・ボナッチ」といいますが、これがなまって「フィボナッチ」と呼ばれるようになったとされています。
彼は少年時代に父親について現在のアルジェリアに渡り、そこでアラビア数字を学びました。当時の神聖ローマ皇帝・フリードリヒ2世は科学と数学を重んじていて、フィボナッチは宮殿に呼ばれ皇帝にも謁見しました。後にはピサ共和国から表彰もされました。


■アラビア数字

ローマ数字では「I, II, III, X, XV」のように文字を並べて記すため大きな数を扱うのには不便でした。対してアラビア数字はローマ数字に比べてとても分かりやすく、効率的で便利だったのです。そこでフィボナッチはアラビア数字を「算術の書」という書物にまとめ、母国に紹介しました。アラビア数字では0から9までの数字と位取り記数法が使われていますが、計算に使うにはとても便利だったために、ヨーロッパで広く受け入れられることになりました。


■フィボナッチ数列

「算術の書」の中には、親ウサギ・子ウサギの問題が紹介されています。

「1つのつがいのウサギは、産まれて2か月後から毎月1つがいずつのウサギを産む。どのウサギも死なないとした場合、1年の間に何つがいのウサギが産まれるか?」

1,1,2,3,5,8,13,21,34,55・・・

この数列は「隣り合う2つの数を加えると、次の数に等しくなる」という規則を持っています。
この数列はウサギの問題だけでなく、木の枝の分かれ方や花の花弁の数等、自然界にも当てはまる例が多く見られることが分かっています。この数列はインドの数学者たちの間では既に知られていましたが、ヨーロッパに紹介されたのは「算術の書」が初めてだったので、「フィボナッチ数列」と呼ばれるようになりました。


★レオナルド・フィボナッチに関する雑学

・黄金比

フィボナッチ数列の2つの連続する項の比は、次第に約1:1.618または約0.618:1に近づいていきます。この比は黄金比と呼ばれていて、人間が最も美しいと感じる比率といわれています。黄金比は以下のように様々なものに使われています。

ハガキの縦横比
ピラミッド
パリの凱旋門
パルテノン神殿
ミロのビーナスの体型

ちなみに法隆寺の五重塔や慈照寺の銀閣は1:√2の比になる構造を持っていて、これは「白銀比」と呼ばれています。この比は日本では古くから美しい比として知られていて、「大和比」とも呼ばれています。