2012年6月2日土曜日

ダニエル・ベルヌーイ

ダニエル・ベルヌーイ(1700年~1782年)

ダニエル・ベルヌーイはスイスの数学者・物理学者です。
ベルヌーイ家は多くの学者を輩出しましたが、同じ数学者であるヨハン・ベルヌーイの子がダニエルとなります。また数学者のヤコブ・ベルヌーイは、ダニエルの伯父にあたります。


■サンクトペテルブルクのパラドクス

「コインを最初に表が出るまで投げ続け、初めて表が出たのがn回目だったとした時に2^n円の賞金がもらえるとする。ただしゲームに参加するには、参加料を支払わなければならない」というルールのゲームがあるとします。ここで「このゲームの参加料がいくらまでなら、参加者が利益を得られると期待できるだろうか」という問題があります。

ここで賞金の期待値を計算すると無限大となってしまうため、「参加料が有限の金額ならばいくら支払ってもゲームに参加するべきである」という結論が出てしまいます。しかし現実の直感からするとこれはおかしな結論と感じるため、この問題は「サンクトペテルブルクのパラドクス」と呼ばれています。

ベルヌーイはこのパラドクスについて、「100万円が200万円になる時の満足度(効用)と、1000万円が1100万円になる時の効用は同じではない」より大きい。賞金の期待値ではなく、効用の期待値を考えるべきである」という主張をしました。


★ダニエル・ベルヌーイに関する備考

Daniel Bernoulli
生没年:1700年2月9日~1782年3月17日
生まれ:オランダ・フローニンゲン
父:ヨハン・ベルヌーイ
母:不明
伯父:ヤコブ・ベルヌーイ
主な著書:1738年『水力学』(Hydrodynamica)