パオロ・ルフィニ(1765年~1822年)
パオロ・ルフィニはイタリアの医者、数学者です。
■5次方程式の不可解性
5次方程式の解の公式については多くの数学者たちが発見しようと研究を続けていましたが、ルフィニは一般的な5次方程式は加減乗除と累乗根の操作では解けないことを証明した、と主張しました。
この証明は1799年の『方程式の一般理論』という著書に掲載されましたが、ルフィニの証明は難解で回りくどかったために数学界には受け入れられませんでした。ルフィニは自分の本をイタリアの数学者ジョゼフ=ルイ・ラグランジュに送り何度か意見を求めたのですが、ラグランジュからの返事はありませんでした。
そのためルフィニは証明を分かりやすく書き直して公表し、何人かの数学者と証明について議論をし、1813年には『一般代数方程式の解法についての考察』という論文を出版します。しかしそれでも数学界の反応は薄いままでした。5次方程式が公式で解けないという考えは、当時はまだ受け入れがたいものだったのです。
ルフィニの証明を評価した人物としては、フランスの数学者オーギュスタン=ルイ・コーシーがいます。
ルフィニの証明には欠陥があったのですが、5次方程式の解法に関する味方に大きな影響を残しました。
★パオロ・ルフィニに関する雑学
ベルギーの天文学者エリック・ヴァルター・エルストが発見した小惑星は、ルフィニの名に因んでパオロ・ルフィニと命名されました。この惑星はチリのヨーロッパ南天天文台で発見されました。
★パオロ・ルフィニに関する備考
Paolo Ruffini
生没年:1765年9月22日~1822年5月10日
生まれ:イタリア、ヴァレンティノ
父:バジリオ・ルフィニ
母:マリア・フランチェスカ・イッポリティ
主な著書:1799年『方程式の一般理論』