アナクシメネス(紀元前585年頃~紀元前525年頃)
アナクシメネスはアナクシマンドロスの弟子であり、タレスやアナクシマンドロスに続いて、「アルケー(万物の根源)とは何か」について考えた人物です。アナクシメネスはタレス、アナクシマンドロスよりも後の時代の人物なのですが、その生涯についての資料は3人の中で一番少ないとされ、謎に包まれています。
■アルケーは空気である
アルケーについては、タレスは「水」、アナクシマンドロスは「無限なもの」としましたが、アナクシメネスは「アルケーは空気である」としました。アナクシマンドロスはアルケーを限りがないものとして考えましたが、アナクシメネスは逆に限りのあるものだと考えたのです。
彼は「全てのものは空気から生じ、空気へと還っていく」と考え、更には「空気の濃さによって、形を変えていく」と考えました。
空気が薄くなると「火」を生じ、逆に空気が濃くなるとその程度によって「風」→「雲」→「霧」→「水」と姿を変え、更には「土」→「石」といった固形物にもなるとしたのです。アナクシメネスはこのように、「空気」という一つのものが変化することにより、様々なものが生み出されるという独自の考えを示しました。
■「万物は数である」―ピタゴラスへ―
タレス、アナクシマンドロス、アナクシメネスを代表とするミレトス学派の哲学者たちにより、「万物の根源とは何か」について考える流れが生まれました。そしてこの後には「万物は数である」という思想を柱とするピタゴラス学派が登場し、数学の飛躍的な発展に繋がっていきます。
★アナクシメネスに関する雑学
月の表側にあるクレーターには、アナクシメネスにちなんで名前がつけられたものもあります。
このクレーターは月の北部にあり、地球から見た時の位置は北北西の縁の付近になります。